そういえば…

  • そういえば私が社会人になったときには、会社に電話交換手という役割の人たちがいた。社外からかかってくる電話は、すべてこの人たちによって社内のしかるべき部署に振り分けられていた。入社して数年後には、すべてダイヤルインに切り替えられたため、そういう人たちはみな配置転換された。というようなことを思い出したのは、「長い長い眠り/結城昌治創元推理文庫)」を読んだからである。この作品は相当昔のものなので、この仕事をしている人が登場人物の中にいた。しかし、内容自体には古さを感じない。家賃や給料の金額の話では時代を感じたが。
  • 今月は順調に未読本を消化している。これは、先月は400ページ以上の文庫本のみ読むことにしたことの反動で、今月はいまのところ300ページに満たない文庫本ばかり読んでいるためだ。そんな中、「長い長い眠り」に続けて「カナリヤは眠れない/近藤史恵祥伝社文庫)」を読了した。
  • 「カナリヤは眠れない」は書店であまり見かけることがなかったのだが、近藤氏は昨年の「サクリファイス」以来注目が高まっているようで、本書と「茨姫はたたかう」が書店で平積みにされているのを発見して、若干の違和感を覚えながらも衝動買いした。この違和感というのは、「こんな表紙だった?」というものだったのだが、早速祥伝社のホームページで確認してみると、異なる表紙の書影が表示された。やはり、リニュアルされたようである。
  • 「カナリヤは眠れない」は、途中までは本当に推理小説なのか、と疑問を感じていたが、最後のところで一気に本格推理小説になってしまった。また、このコンパクトさも良い。登場人物たちのその後が気になるので、次に読む本は「茨姫はたたかう」にしよう。このシリーズの3作目の「シェルター」の探索も始めなければ。


長い長い眠り (創元推理文庫)

長い長い眠り (創元推理文庫)

カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)

カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)