寒い!

  • 寒い。だからというわけではないが、更新をさぼってしまった。前回の更新から中三日。今月の更新率もあっさり5割を切ってしまっている。
  • 今月の読書は今のところ4冊。ペースが今ひとつ上がらない。未読状態で気になっていた「中村雅楽探偵全集」の第1巻「團十郎切腹事件/戸板康二」に手をつけることができたし、前から読みたいと思っていた「後宮小説酒見賢一」や、文庫化を心待ちにしていた「まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん」を読むことができた。そういう意味では、内容の濃い読書生活といえるかもしれない。
  • 中でも「後宮小説酒見賢一」はおもしろかったし、何といってもあくまで史実に基づいて書かれたかのように、架空の世界を構築しているのに感心した。酒見賢一氏の作品はこれが初読だが、ぜひ「陋巷に在り」も読んでみたい。全13巻というのには圧倒されるけれど。
  • ところで「後宮小説」は、「雲のように風のように」というタイトルでアニメ化されているらしい。「後宮小説」がアニメになるのか?という疑問はあるが、おそらくあんなことやこんなことは割愛されているのだろう。ちょっと興味があるのでこちらも観てみたいものだ。
  • まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん」は期待が大きすぎたせいか、少し肩透かしを食らったような感じ。読みやすくて、おもしろいのは間違いないのだけれど。三浦しをん氏はこれで直木賞を取ったわけだが、当時の選考委員の評言がおもしろい。ほとんどの委員が高い評価をしているのだが、渡辺淳一氏は「妖しげな小説」と評している。主人公二人の生活を「男二人の生活はボーイズ・ラブの延長のつもりか、大人の男の切実さとリアリティーに欠ける」とも。ちょっと違うんじゃないかな。井上ひさし氏の「友情小説としても上出来である」の方が的を射ていると思う。私としては、北方謙三氏の評言に共感する。