バッカス!

  • ナイチンゲールの沈黙」は、前作「チーム・バチスタの栄光」と打って変わってSFのような内容。あいかわらず登場人物が魅力的に描かれており、退屈することなく楽しむことができた。しかし、小説自体の内容よりも気になったのは、作中に登場する「ハイパーマンバッカス」である。何とも格好悪そうな設定の特撮ヒーローなのだが、実際に見てみたくて仕方がない。
  • 「PLAY」は「遊び・遊戯」をテーマにした短編集だが、本当のテーマは「家族」だろうか。ミステリとしては3番目の「黄昏時に鬼たちは」が面白かった。一時期話題になった2作品と似た設定ではあるのだけれど。他の3作品は、ミステリというよりはホラー色が強い。
  • 前回の日記で、京極夏彦氏の「百鬼夜行シリーズ」の版元が変更されるということを記載したが、この「PLAY」も単行本は朝日新聞社から出版されたのに対し、ノベルスは講談社から出版されている。そもそも他社の単行本で出版されたものを文庫化する前に、わざわざ講談社でノベルス化する必要があるのかということには疑問を感じるが、講談社にはこのようなことがときどきある。「そして二人だけになった森博嗣」がそうであったし、「乱鴉の島/有栖川有栖」も来月にはそうなるらしい。*1 こうなると、「PLAY」の文庫化の際には朝日文庫講談社文庫のどちらが版元となるのだろう?*2


ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

PLAY プレイ (講談社ノベルス)

PLAY プレイ (講談社ノベルス)

*1:この2冊は、単行本は新潮社。

*2:そして二人だけになった」は新潮文庫