万年筆

  • クローズド・ノート雫井脩介(角川文庫)」を読んでからというもの、万年筆がほしくて仕方がない。もともと筆記具の中では万年筆が一番好きだった。愛用していた万年筆がどこにいったのか、今ではわからないような状況だが、以前は試験勉強も万年筆でしていたし、何か字を書くときには万年筆が基本だった。それがいつから使わなくなったのだろう?
  • 思いあたるのは社会人になったときである。公式な文書は万年筆かボールペンで書くものと思っていたので、勤め先で初めて交通費の精算か何かの伝票を書いた際に、当然万年筆を使った。しかし、そのときに伝票を渡した経理の担当者からは「黒ボールペンで書け」という指示を受けた。当然だろう、という感じで。
  • 万年筆を使わなくなったのはそれからだと思う。使いみちがなくなってしまったのである。手紙を書くわけでもないし、ボールペンとシャープペンですべてまかなうようになってしまった。そして、パソコンの普及がこれに拍車をかけた。
  • 今でもそれほど使いみちがあるわけではない。が、やはり気に入ったものを一本くらいは手元に置いておきたいものだ。飛びきり高価なものでなくてもいい。ということで、新たな物欲がわいてきてしまった。